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執筆者の写真MIKURIYA HIROSHI

『中枢神経による制御』



からだの運動には多くの因子が影響します。 これらに含まれるものは、骨、筋、関節のバイオメカニクス的な性質だけでなく、コントローラー、すなわち動きや静止の必要性を決めて、四肢体幹を効果的に動かすための適切な筋活動を引き起こして、環境との関係や体節間の関係などを決定するシステムも含んでいます。


スポーツやエクササイズを行うときに気をつけなければいけないこととして、損傷や疼痛がこの運動制御系の精度に大きな影響を与える可能性があるということです。


つまり、運動制御のコントローラーである上記に記したシステムが不適切に働くと、何かしらの機能異常や外傷の原因にさえなりかねないということになります。


この運動制御の中枢とも言えるのが、「中枢神経系(central nervous system:CNS)」です。 CNSは様々な戦略を用いて動きを統率し制御しています。

これらの戦略には機械工学における基本的な2つの戦略パターンがあります。 そのひとつは感覚のフィードバックに依存し、もうひとつは中枢性の制御で感覚のフィードバックにはほとんど依存しないというものです。 前者をクローズドループ機構、後者をオープンループ機構と呼ぶこともあります。

これらのシステムはコントローラーと効果器を必要とします。 どちらのシステムにおいても、コントローラーは動作をするために筋肉が動くように運動命令を発します。 クローズドループ制御系においては運動制御は、その都度、感覚のフィードバックによりその状況に合わせて更新され、命令を発生します。


これに対し、オープンループ制御系では、運動のすべてがあらかじめ計画されており、フィードバックに関係なく運動は遂行されます。 しかしながら、これが成り立つのは、フィードバックによる運動計画の変更が不要な場合か、もしくは動きを調節して制御するには、フィードバックを待って動いていては遅すぎる場合になります。


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