運動を調整するためには姿勢の維持と運動という大きく分けると2つの要素を調整する必要があります。
実際の動作は姿勢の維持と運動は巧妙に絡み合っており、切り離すことができません。
例えば、手先や足先の運動であっても、体幹と腕や足が適当な位置関係にあるときのみ思い通りの動作をすることができます。
また、ある姿勢を維持するためには、この姿勢を乱すようなどんな力も適当な運動によって打ち消される必要があります。
運動を姿勢調節なしに行おうとすることは、姿勢調節を運動なしに行うことと同様に不可能に近く、両者は常に協調して行われています。
このように協調さ
れた骨格筋の活動は中枢神経系の働きによって可能となります。
骨格筋の収縮活動は、脊髄と脳幹の体性運動ニューロンによって支配されています。
運動ニューロンの軸索を通って、活動電位がその筋に達することによってのみ収縮が引き起こされます。
運動神経細胞には、①随意運動を引き起こす ②姿勢を調節する ③各種の筋活動を強調させる機能を持つ3つの種類の入力が、無数の伝導路を通じて収束されています。
これらの入力は、脊髄、脳幹、小脳と基底核、大脳皮質という中枢神経系の4つのレベルから直接、間接的に送り込まれます。
運動ニューロンはこれらの統合を行い、興奮性と抑制性のシナプス電位の加算を行い、その結果で筋肉への出力が決まります。
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