運動を行う際は感覚神経である視覚・前庭・体性感覚からの感覚情報を統合して、脳が動作を企画して、企画した運動に必要な筋収縮パターンを調整して、各部位に動きが生じることで起こります。
簡単にその3つの感覚器を説明していきます。
■視覚
視覚は感覚器全体の約70%もの情報を認知しており、視覚から得る情報に頼っている部分が多くなります。
物を見て空間を把握するために必要で不可欠な感覚器です。
うまく物が捉えられない場合や見えない場合は筋緊張が起こります。
その眼球がついている部位は頭部の為、姿勢が崩れている場合は空間にもズレが生じます。
大脳において広範囲(後頭部の位置)を視覚野は締めています。
視覚と視力はイコールではなく、視覚は周辺視野が重要となります。
最近はほとんどの方がスマホをお持ちだと思いますが、歩きスマホなどをしているときは周辺視野が遮られている状態で今までの経験値に基づいて動いているので、視野に悪影響を及ぼします。
■聴覚(前庭覚)
聴覚(前庭覚)は平衡感覚やバランス感覚とも呼ばれるように姿勢の維持や調節などに関わっています。
加速度を感知する働きがあり、重力・直線・回転の3つの加速度を感じとっています。
揺れる、回るなどの動きをしたときに三半規管や耳石器で加速度を感知して、脳に情報を送っています。
■体性感覚(固有受容覚)
体性感覚(固有受容覚)は手足や体の動きを感知して身体をコントロールする働きがあります。
身体の最も深い部分で感じる深部感覚
筋肉の張りや関節の角度を感じ取ることで、全身の動きが把握でき、身体をコントロールすることができます。
体性感覚(固有受容覚)には運動覚、位置覚、重量覚、抵抗覚が
あります。
日常生活を送る中で、運動量の減少やスマホやパソコンなどの過剰な使用による姿勢不良や脳の血流量低下、便利な世の中になることにより身体を動かす機会が減少し、またストレスや栄養不足、酸素不足、痛み、など様々な要因が関与して、脳の感覚器への刺激が減少して身体にエラーが生じているケースがよく見られます。
この感覚情報を感じ取る感覚器が正常に働いていない場合は、その感覚器からの情報も正確ではなくなり、結果的にその情報を元に、動作を企画していくため、動きたい動きと実際の動作が噛み合わなくなります。
感覚器のエラーは、色々な要素が関わってきますが、特に問題なのは感覚器の不活性です。
感覚器は使わないことで、感じ取る感覚情報を感じ取りにくくなります。
最近よく言われる感覚器へのアプローチを簡単に説明すると、感覚器を使うトレーニングを多く取り入れて、感覚器を使う機会を増やして、感覚器が正しく感じ取れる状態に改善していく為に感覚器へのアプローチが必要となります。
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