『痛みなくして、得るものなし』【NO pain no gain】
古くからよく聞く言葉で、よくある勘違いは強い痛みから軽い痛みまでをひとまとめにして不快な感覚のすべては耐えて運動することが可能だという意味に受け取っています。 持久的な場面で疲労を押して頑張り続ける、あるいはもう一回、何とか動作を行うといった形で用いるならばこの言い回しは役立ちます。 ハードなトレーニングの副産物として筋が痛むことはよく起こります。
しかし、痛みが指し示すのは、さらなる損傷を防ぐための問題の状況把握とその修正法の必要性です。 ところが、多くのフィットネスに取り組む方は痛みがあっても頑張りつづけ、トレーニングを継続して、氷や抗炎症薬を長期間使用して、痛みを隠しているケースが多くみられます。
『ほとんどの人が、痛みが何であるかを見ていない。 身体は賢い。 痛みは、身体にとっては良くないことの警告である。 痛みは、何かが正常ではないというシグナルでもある。 車の運転中に、ダッシュボードの赤い警告ランプを見つけたとき、その赤いランプにわずらわせないようにとジムバックからタオルを取り出してそれを隠すことはしないと思います。 問題を特定しようとできるだけ早く車を止め、問題を調べそれから自分自身で修正するか、助けを求めるかするはずです。 もし警告ライトがついたまま運転を続ければ、車が故障し自分自身が危険になる恐れがあります。 車の場合は、警告ランプを調べるために止まることはごく論理的と感じられます。
ところが、その翌日、ジョギング中に膝の痛みを感じた場合、立ち止まらずに膝の痛みを押して、走り続け、痛みは、次のジョギングでも、次の次でも続いていきます。 とうとう、抗炎症薬やサポーター、アイスパックといった様々なものを利用し、また走る為に痛みを隠そうとします。 つまり、痛みの原因について取り組まずに、ダッシュボードの上にタオルをかけるようなものです。
膝の痛みは、筋のアンバランスを生じ、関節や腱に不必要なストレスを生むことになりかねません。 症状(痛み)を隠して、その関節をさらに使い続けることによって、重大な損傷が引き起こされる恐れがあります。 トレーニングを続けたいがために、痛みをなくそうと考えるが痛みを無視しようとするのは、トレーニングを改善する手がかりなくしているようなものです。 トレーニングによる痛みは悪いサインではなく身体にとって必要なサインです。
そのサインがなぜ起こっているのか? まず探すことがとても大切です。