心臓は鍛え抜かれたアスリートのような筋肉の集まりで、休みなく収縮を繰り返して血液を全身に巡らせています。
心臓の筋肉は手足などの筋肉(骨格筋)とは少々異なり、心筋繊維と呼ばれる特殊な筋繊維からなります。
骨格筋を構成する筋繊維は1本の細長い繊維で、互いに独立しており、ローテーションしながら順番に働きますが、心筋繊維は枝分かれしながら互いに連絡しているため、洞結節というペースメーカーからの刺激が伝わると、一体となって一糸乱れず収縮と弛緩が行えるような構造になっています。
左心室が収縮すると血液は動脈を介して全身に送られます。
静脈から還流してきた血液は右心房に戻り、右心室から肺へ送られて酸素と二酸化炭素を交換する呼吸が行われます。
そして二酸化炭素を排出して新鮮な酸素を蓄えた血液は左心房に戻り、再び左心室から末端へ送られます。
隣の肺に送るよりも末端まで血液を送る方がずっと力を要するので、左心室の筋肉は右心室の3倍近くも厚くなっています。
よく使う筋肉ほど鍛え抜かれて分厚くなるのは、骨格筋も心筋も同じです。