末梢性疲労は、筋肉などの疲労によって疲れが溜まった状態です。
この疲労が起こる原因は、分かりやすく言うと燃料切れ、いわゆるガス欠です。
エネルギー源が枯渇してしまうことで疲労が起こっている状態です。
筋肉を収縮させる直接のエネルギー源であるATP(アデノシン3リン酸)という物質は、もともと細胞内に貯蔵できる量が限られています。
そこで、そのエネルギーが枯渇しないようにクレアチンリン酸などの別のエネルギー源を使って瞬時にATPを再合成し、筋収縮を持続しようとします。
しかし、それらの貯蔵量にも限りがある為、筋収縮を無限に続けることはできません。
ただし、その枯渇したエネルギー源を食べ物で供給することができます。
食事で摂取した栄養を、身体に取り込んだ空気中の酸素を使って燃やす必要があります。
そのエネルギーの生成に必要な酸素は、血液中の赤血球(ヘモグロビン)によって運搬されますが、酸素を体内に上手に取り込めなかったり、空気が薄くて十分な酸素が得られなくなったり、力強い筋肉自身の収縮によって血液が阻害されて酸素が行き届かなかったりすることで、エネルギーをうまく作り出すことができず、疲労が溜まることがあります。
また、運動の為のエネルギーを取り出すため細胞内では化学反応が引き起こされ、その結果生じた代謝産物が疲労を引き起こすこともあります。
代謝産物が生成されると、細胞の中で様々なイオンのバランスが崩れます。
それにより、筋肉の環境変化が起こり、筋肉が収縮する働きが阻害されてしまい、その影響で疲労が蓄積されることもあります。
運動時に生じた熱は体温の上昇をもたらしますが、著しい体温の上昇は細胞の働きを低下させてしまいます。
車に例えると、エンジンがオーバーヒートしてしまった状態です。