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執筆者の写真MIKURIYA HIROSHI

『姿勢の安定化』



姿勢の安定にとって大切なのは、横隔膜の水平面と円柱、骨盤底筋群の水平面と円柱が垂直軸上で重なりあっていることです。

呼吸をする毎に横隔膜はお腹に圧力をかけます。

そして、その圧力を骨盤底筋群が受け止める役割を果たしています。

もし横隔膜と骨盤底筋群が上下に互いに向き合っていない状態であるなら、骨盤底筋群が横隔膜からの圧力を受け止めることができなくなってしまいます。

受け止められなかった圧力は当然身体の弱い部分から漏れていきます。

結果、腹腔内圧が失われ体幹は不安定になっていきます。しかし、その不安定な状態でも私たちは日々の活動をするために身体を支えなければいけません。

そのため、本来は身体を支えるために必要ではないほかの筋肉や身体の部位が緊張をしいられます。

これを長く続けると、どんどん負担が大きくなり、身体のあちこちに歪みが生じ、疲労が蓄積し、筋肉、腱、靭帯、軟骨など様々な組織が傷つき、筋の張り、身体や関節の痛みや違和感となって表れてきます。

横隔膜と骨盤底筋群が上下からしっかりと圧力をかけ、腹腔内圧を保った状態であれば、その内部にある脊柱は安定し、体幹から繋がる四肢は安定した土台の上で働くことができます。

上下の水平面が崩れた圧力漏れ状態で腹腔内圧が低下していると、四肢は、身体を動かすために脊柱を支える役割も担わなければならなくなります。

こうなれば身体のあちこちに歪みが生じ、疲労が蓄積し、筋肉、腱、靭帯、軟骨など様々な組織が傷ついていきます。

人間にとって司令塔である脳が収まり頭を支える脊柱。

これを安定させることは生命維持のためにとても大切です。先にも述べたように、横隔膜と骨盤底筋群の位置関係が乱れると腹腔内圧が落ちます。

すると、少しでも頭を高い位置に保つために、体幹の安定性を作り出そうと、首、肩、腰、股関節、膝など、体幹から近い部分が、本来求められている機能以上に動員されることになります。

そのため、そういった場所に痛みが多く出やすくなります。


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