運動前の栄養補給についてです。
運動前はやはり、運動に向けてのエネルギーを蓄えておかなければいけません。
運動中の主なエネルギーは、炭水化物と脂質であり、中でも炭水化物は脳の唯一のエネルギー源であるため、エネルギー源としての優先順位は高くなります。
炭水化物の摂取量の目安は運動強度や運動の目的によりさまざまです。
もし痩せたいというような目的であれば、運動前に炭水化物は取り過ぎないようにしなければなりません。
なぜなら、炭水化物を多く摂取することで脂質よりも炭水化物のほうがエネルギーとして使われやすくなってしまうため、脂肪燃焼が抑制されるためです。
対照的に、運動強度が高く、運動時間が長いという場合はエネルギー切れを防ぐためにも炭水化物を補給したほうが良いでしょう。
ですが、直前に食事を多くとりすぎると、運動時の筋活動に利用したい血液が胃などの消化器官に多く集まるので運動効果を落とすと言われています。
運動30分前など直前であれば消化吸収の良いゼリー飲料などがお勧めです。
運動前の食事で大切なことは「炭水化物などのエネルギー源は摂取するが、運動前に消化が終わっている」ということになります。
次に運動後の栄養補給についてです。
運動後は傷ついた筋の修復のためのたんぱく質の補給や、枯渇したエネルギーの補給として炭水化物を摂ったり、水分補給をしっかり行うことが大切になります。
まず、たんぱく質についてですが、たんぱく質は身体(筋肉)を作る重要な栄養素で、脂質、炭水化物とともに「3大栄養素」といわれています。
運動後に速やかにたんぱく質が補給されないと、傷ついた筋の修復が遅れたり、筋タンパクの分解が、合成より上回ったりします。
修復が遅れることでパフォーマンスの低下につながったり、筋タンパクが分解されることで、筋量の低下とともに、基礎代謝の低下に繋がるため、アスリートはもちろん、シェイプアップが目的の方にもぜひ摂取していただきたいと思います。
プロテインなど、サプリメントを上手に活用できると良いですね。
そして、運動中に減った体重はほとんどが水分といわれているため、しっかりと水分補給も行いましょう。
「水分を摂ると体重が増えて太る!」と気にする方もいらっしゃると思いますが、水分にカロリーはないため心配せず、十分な水分補給をしたほうがよいといえます。
さらに、運動を行うと、通常より多く酸素を取り込むため、身体が酸化状態になります。
なので、抗酸化作用のある、ビタミンA(うなぎ、レバーなど)ビタミンC(果実、緑黄色野菜など)ビタミンE(うなぎ、種実類)を食事に取り入れるのも運動効果をより引き出すとに繋がると思います。