1回のエクササイズで生理学的機能や運動機能が一時的に変化することを『反応』と言います。
生理学的機能における反応の例としては、全身的なウォームアップによって心肺機能の活動が増加することがあります。
運動機能における反応の例としては、可動性や安定性、動作パターンなどのエクササイズを行った後に動作パターンが改善することが挙げられます。
『適応』とは、環境の変化に対して生体が適合することです。
これは、エクササイズやトレーニング
、リハビリテーションを繰り返し行うことで生じる構造や機能の持続的な変化を意味します。
大部分の人がエクササイズの量に注目し、時間や距離、重量について考え、反応や適応の違いについてはほとんど考えません。
トレーニングをすることで適応(身体の変化)が自然に生じるのを期待し、短期的な反応を見逃してしまっているケースがよくあります。
反応は一時的なもので、この反応がみられるのは短時間で、トレーニング終了後すぐに消失してしまいます。
反応は一時的な代謝性のものと考えられていますが、神経学的には重要なものであり、動作パターンを改善するという反応は運動学習の良い指標となります。
悪い動作パターンが生じるエクササイズは、悪い動作パターンの適応を強化してしまいます。
テクニックの質に重点的に取り組むことは、神経学的な要求を高めることになります。このことにより、反応と適応のより良い関連性をより早く作り出すことができます。
最低限の質を保ちながらエクササイズを行い、パフォーマンスの量を増やす場合には、毎回のトレーニングで改善した動作の反応を確認すべきです。
このことが改善した効率の良い動作パターンの適応を生み出すことができます。
好ましくない反応によって生じる適応は好ましいものにはなりません。実際、適応は良好な反応の繰り返しによって成り立ちます。
好ましい動作の反応が繰り返し生じなければ、適応は起こりません