疲労は、身体だけではなく、脳からも生じる現象です。
今まではデスクワークなどの精神作業によるものや運動によるもの、目の使いすぎによるものなどが疲れの原因と言われていましたが、筋肉だけではなく、『神経のコンディショニングの悪さ』も疲れを引き起こす原因となります。
疲労とは、『筋肉と神経の使いすぎや不具合によって身体の機能に障害が発生している』状態です。
私たちのカラダの脈拍・呼吸・体温調節を担っているのが『自律神経』です。
この自律神経には昼に活発になる『交感神経』と夜になると活発になる『副交感神経』の
2つがあります。
日中活動するための『交感神経』が優位、夜間は休むための『副交感神経』が優位というのが、身体の本来備わったシステムです。
ところが、過度のストレスがかかるなどして自律神経のバランスが崩れると、交感神経と副交感神経がうまく交替しなくなります。
すると、眠れなくなったり、体温調節がうまくいかなくなったり、血圧が上昇したり、呼吸が乱れたりすることになります。
自律神経の乱れは、まず『病気ではないが不調』という状態で現れます。
そのため、疲労感を伴い、これを放置したまま悪化させると、本当の病気になることもあります。
また、身体の動きを統制している『中枢神経』は、手足を動かす際の『動作の指示役』など、身体の様々な部位に指令を出す『司令塔』のような役割を持つ神経です。
手足を動かす際は、骨と腱と筋肉が勝手に動いているわけではなく、脳と精髄にある中枢神経と、手足にある末梢神経が連携して起こります。
この連携が悪い姿勢になったりして、筋肉のバランスが崩れると『中枢神経⇒末梢神経』がうまくいかなくなります。
この状態は、脳からの指令が身体の各部位にうまく伝わらない状態になり、身体を思うように動かすことができなくなります。
すると、思うように動かない身体の『なんだか重い』『だるい』という感覚が、脳にフィードバックされ、脳が身体の『だるさ』を感知して、『疲れている』という感覚を感じるようになります。
疲れを感じている人の多くは、この『自律神経』と『中枢神経』の2つの神経のコンディショニングが悪くなっています。