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執筆者の写真MIKURIYA HIROSHI

姿勢を保つしくみ


姿勢制御には、視覚・前庭・体性感覚からの情報が重要な役割をしています。

例えば、暗闇のなかで歩くとき、自分の体が垂直位にあるのかどうかわからなくなることがあります。

また、そのようなとき、膝を曲げて足の指に力を入れて歩いていることに気づくことがあります。

これは視覚が欠如したことによる情報量の減少の結果であり、足の指に力を入れて歩くのは視覚情報の欠如を体性感覚で補おうとする適応過程を意味します。

立位において、足底感覚や視覚からの情報が欠如したり、身体の動揺に合わせて床が動いたり、筒のようなものを被り頭部の動きと一緒に視覚環境が動くように感覚情報が歪められたりすると、重心動揺が増します。

これらは感覚情報を結合する感覚ストラテジーや感覚運動系を調整する適応メカニズムの低下を意味します。

物体の安定性の限界は支持基底面の広さと空間的重心位置によって決定されます。

人においては、支持基底面を変化させずに重心の位置を移動できる限界域をいいます。

立位姿勢においては、足底の位置や杖などを使うことにより支持基底面が変化し、構えの違いにより重心位置が変化するため、安定性の限界は姿勢の違いにより変化します。

通常、人は姿勢変化を体性感覚や視覚、前庭感覚などからの情報により知覚し、その姿勢における安定性の原価を内的表象や身体スキーマとして認知し、動作や作業範囲を保証しています。

新しい技能や姿勢調整の学習、運動の発達過程における感覚系の関与により、視覚情報優位から体性感覚優位へと感覚情報の寄与率が変化します。

学習に伴い動作が自動化されると、視覚情報への依存性が減少して体性感覚情報への依存性が高まります。

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