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執筆者の写真MIKURIYA HIROSHI

『筋のトーンとテンション』


人の姿勢や動作は、骨格や筋膜、関節を支持し、筋系の意識的あるいは無意識的なテンション(張力)によって生み出されています。

神経からのインパルスにより筋が部分的に収縮することで筋トーン(緊張)が引き起こされ、テンションが生じます。

この部分的に収縮した状態が、姿勢や動作の基礎となります。

筋は脳からの指令を待っている弛緩状態でも活動が停止しているのではなく、1日を通して様々なレベルで部分的に活動しています。

姿勢や体勢を変えたり動いたりすると、ある筋はリラックスして伸張し、またある筋は収縮して短縮して、その他の筋の長さは変化しないが、支持や安定化の役割を果たすためにテンションが亢進したり低下したりします。

人は、ある動作パターンや姿勢を繰り返すことで、筋系における血液の循環やグリコーゲンの貯蔵、組織の収縮力などを改善するのと同時に、モーターコントロールに関与する神経系の構成要素も改善しています。

筋のトーンやテンションは可動性や柔軟性の制限、バランスや安定性、モーターコントロールに制限があると筋のトーンの亢進や筋のトーンとテンションの低下に繋がります。

的確な筋トーンとテンションにより、適切なアライメントを維持しながら立ったり動いたりすることが可能となり、効率の悪い筋活動によるエネルギーの損失がない効果的な動作や素早い反応を行うことができます。


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