中枢性疲労は筋肉に指令を送っている脳での疲労で、肉体的な疲労に至る前に感じる疲労です。
これは、限界近くや限界以上の運動を行うことにより、身体に生じる害を未然に防ごうとする防御機能の一種であると考えられています。
その仕組みは複雑ですが、長時間の運動や高強度の運動では、脳に疲労を起こさせる物質が脳の内外で生じ、それらが脳に疲労感を感じさせているのではないかと考えられています。
つまり、脳そのものが疲労したからではなく、例えば筋肉が疲労し始めているという様々な情報を基に、脳がわざとパフォーマンスを下げているかもしれません。
例えば、疲れてこれ以上走れないという状態でも、自分の身に危機的状況が訪れれば嘘のように走れることも、観客からの大きな歓声によって最後の最後に渾身の力を振り絞れることも、身体的限界が来る前に脳が意図的に設定したストップという命令を解除したことによって起こるのではないかと考えられています。
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